行方不明の相続人がいる場合の遺産分割協議
相続が発生して遺言書があった場合は
基本的には遺言書の通りに相続します
もし、遺言書がなかった場合は
相続人同士で遺産をどのように分けるかを話し合います
これを遺産分割協議と言いますが
その際に相続人が1人でも欠けていた場合の遺産分割協議は無効となります
したがって、もし、相続人が1人でも行方不明などで揃わなかったからといって
その相続人抜きで遺産分割協議をすることはできないのです
それでは、実際に相続人の中に行方不明の相続人がいて
連絡がとれない場合は、どのようにすればいいのでしょうか?
相続人の中に連絡先や住所がわからない場合は、行方不明者の相続人の戸籍を請求することで、現在の本籍地を知ることができ、本籍地の役所で「戸籍の附票」を請求することで現住所を調べることができます
戸籍の附票を請求できるのは
相続人に限られていますが
相続人に変わって司法書士などの資格者は
委任を受けて職務上請求することも可能です
住所が判明しても所在が不明な場合は
不在者の従来の住所地の家庭裁判所に
「不在者財産管理人の選任」を申し立てます
不在者財産管理人を選任してもらうには
概ね1年以上は行方不明の状態が続いている必要があります
申し立てができるのは、不在者の配偶者、相続人、債権者などです
不在者財産管理人とは、不在者の財産を管理する人のことです
不在者財産管理人は、家庭裁判所にて
「不在者の財産管理人の権限外行為許可の申立書」を申し立てることで
行方不明の相続人に代わって遺産分割協議に参加することができます
・不在者財産管理人選任の申立書
・不在者の戸籍謄本、戸籍附票
・財産管理人候補者の住民票又は戸籍附票
・不在の事実を証明する資料
・不在者の財産に関する資料 (不動産の登記事項証明書など)
・収入印紙800円+連絡用の郵便切手代
申立書は家庭裁判所の窓口又はホームページからダウンロードできます
相続人の中に行方不明者がいる場合は
法律上、死亡したものとみなす「失踪宣告」という手続きを選ぶ方法もあります
失踪宣告は行方不明になった原因によって条件が異なります
通常は生死不明となってから7年経過していることが条件です
また戦争、船舶の沈没、震災、災害などで行方不明の場合は
1年が経過すれば失踪宣告の申し立てが可能です
失踪宣告を受ける為には
行方不明者の住所を管轄する家庭裁判所の申し立てが必要です
申し立てから失踪宣告までは
一般的には1年ほどの期間がかかるため
多額の遺産がある場合
被相続人の死亡後10カ月以内に手続きを行わないと
相続税の申告期限には間に合いません
その為、上記に記載した不在者財産管理人を選任して遺産分割協議を進める方が現実的だといわれています
相続手続きをする上で遺言書がなかった場合は、ほとんどの方が遺産分割協議をしますが相続人全員が参加しない遺産分割協議は無効となります
その為、行方不明の相続人がいる場合は
本籍地の役所で「戸籍の附票」を請求して
住所を調べることから始めますが
所在が不明な場合は
家庭裁判所にて「不在者財産管理人の選任」又は 「失踪宣告」の申し立てを行わなければなりません
家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てることによって
不在者の相続人に代わって
不在者財産管理人が遺産分割協議に参加することができ
相続手続きを進めることができるようになります
もし、行方不明の相続人がいてお困りでしたら当事務所にご相談下さい
初回のみ相談無料で司法書士が親切丁寧に対応させていただきます
上記に記載した通り、相続が発生した場合
相続人の中に行方不明者がいる場合は
特別な手続が必要になります
そこで、相続が発生する前に相続人の中に行方不明者がいる場合は
遺言書を作成しておくことをおすすめします
遺言書を作成することで相続人同士の遺産分割は不要となります
法律上、無効にならない遺言書の作成方法も当事務所にて司法書士が親切丁寧にご相談にのりますので お気軽にお問合せ下さい
司法書士法人りゅうと事務所
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