生前の遺留分放棄とは
新潟市中央区にある司法書士法人りゅうと事務所です
司法書士事務所に勤めていると相続登記の依頼はたくさんありますが
今回はお客様から遺留分放棄のご依頼がありましたので
遺留分放棄について書きたいと思います
遺留分放棄について説明する前に
まずは「遺留分」についてのおさらいです
「遺留分」とは、兄弟姉妹以外の相続人が
必ずもらえる遺産の最低限の相続分のことで法律で保障されています
相続が発生すると、
相続人が法定相続分に従って遺産を相続するのが基本です
ただ、遺言書があった場合
亡くなった方(被相続人)が
どのような配分でも相続させることが出来る為、相続人であっても十分な遺産を受け取れなくなることがあります
しかし、相続人の立場からすると
相続が発生したら自分は財産をもらえるかもしれないと思っていたのに
実際は、自分が相続すべき財産を十分もらえなかった場合
「最低限の相続分を保証しますよ!」というのが遺留分です
相続人として相続する遺産が最低限の取り分に満たなかった場合に
「遺留分を侵害しているので財産を返して下さい!」と請求することができますが
遺留分放棄とは 自分がもらえるはずだった最低限の相続分を放棄することです
つまり、遺言書によって本来、相続する遺産が少なかったり
もらえなかったとしても
文句は言いませんよ!遺留分請求はしません!ということです
ただし、遺留分放棄については条件があります
1.相続が発生する前であること
2.本人の意思であること
3.家庭裁判所の許可を得て、遺留分放棄の手続きをしなければならないこと
4.遺留分放棄に合理的な理由と必要性があること
5.遺留分放棄の代償(見返り)を得ていること
今回のお客様の依頼のケースですが
多額の資金援助を今までにしてもらったこともあり
生活も安定している為、亡くなった後に遺産を相続する意思がない為
相続が開始する前に遺留分を放棄したいとのことでした
上記の遺留分を放棄をする条件以外に 注意しなければならないことがあります
1.相続が発生したら遺留分は主張できない
2.遺留分放棄をしても相続人としての権利は変わりません
注意しなければならないのは、相続が発生した時の相続放棄とは異なる点です
亡くなった人(被相続人)の借金などの債務については
相続人として相続することになるので
家庭裁判所で相続放棄の手続きをしなければなりません
3.遺留分を放棄しても、他の相続人の遺留分が増えるわけではありません
遺留分放棄に必要な書類は下記の書類です
①遺留分放棄の許可申立書
②亡くなった方(被相続人)の戸籍謄本 (全部事項証明書)
③申立人の戸籍謄本(全部事項証明書) ※審理の為に必要に応じて、追加書類の提出を求められる場合があります
①遺留分放棄の申立実費費用 (申立人 1名につき800円)
②司法書士に依頼した場合の報酬費用
※当司法書士事務所に ご依頼頂いた場合の報酬費用ですが 基本報酬は55,000円です
相続人が生前に遺留分放棄をすることで
亡くなった人(被相続人)は遺留分を気にせず、相続したい相手に財産を自由に相続させることができます
ただし、遺言書があることが前提です
遺言書の作成方法は 大きく分けて
自分で書く自筆証書遺言と公正証書遺言があり、無効にならない為の遺言書の作成方法を当事務所ではアドバイスさせていただくことも可能です
相続人同士の折り合いが良くない場合
相続発生後は遺産分割で揉める可能性が高くなります
遺言書を作成しておくことで
相続させたい方に自由に遺産を相続させることができますが
「遺言書が遺留分を侵害している場合に相続人が遺留分をめぐって争いになる」ことがあります
こういった争いを避ける為には
「遺留分が問題となりそうな相続人にあらかじめ遺留分を放棄してもらう」ことで
遺産分割で相続人同士が争うリスクを最小限に抑えることができます
ご自身がお亡くなりになる前であれば
ご自身も含めて相続人同士で話し合いをすることができる為
遺留分放棄について納得してもらえる可能性が高いことも考えられます
上記のように相続人が相続の開始前(生存中)に家庭裁判所の許可を得て、あらかじめ遺留分を放棄する手続きができます
新潟市で遺留分放棄の手続きをご検討されている方は当司法書士事務所にお任せ下さい!
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